ルーマニア・ガレ コレクション AV

　1890年代、フランスを中心とした新しい芸術潮流が現れました。その装飾美術様式はアールヌーヴォー(新しい芸術)と呼ばれ、ヨーロッパからアジア、世界に波及してきました。

　アールヌーヴォーの中心となったのがガラス工芸作家エミール・ガレ。「カメオ彫り」「多層被せガラス」「アシッド」といった独創的な技術で斬新な作品を生み出し、ガラス工芸を芸術作品へ押し上げた第一人者です。

　ガレとガレ工房は世界的な名声を得ることになりました。エミール・ガレが亡くなった後、工房は遺族によって引き継がれました。しかし時代はアール・ヌーヴォーからアール・デコへ、そして世界恐慌のあおりを受け、工房の扉は閉ざされたのです。